
トーキョー・トレーダーズ・タイムズ 代表取締役 東京工業品取引所日報編集長を経て、2001年にトーキョー・トレーダーズ・タイムズを設立。現在は「コモディティ・ジャーナリスト」として各メディアで活躍中。
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●原油「重要な下値抵抗である68.59ドルが分水嶺に」
⊿ウイークエンドNYマーケット・レポート
WTI原油は、いったんは反発する動きとなっていたが、この週末にかけての4日、5日と続落した。特に4日は米株価が暴落して一時1万
ドルを割り込む商状となったこともあり、その流れが引き継がれて大きく下落した。週末5日も一段下げとなって瞬間的に70ドルの大
台を割り込んだ。
この一連の続落で、5日は一時69.50ドルまで下げたわけだが、まだ首の皮一枚残す状況。今後の重要なポイントは、直近安値であり下
値抵抗である昨年12月14日の68.59ドルを割り込むことなく反発する動きとなるのか、あるいはこの抵抗を割り込んで下げが加速して
しまうかにある。
従って、週明け8日以降のWTI原油期近が、あと1ドル下げて抵抗割れとなるのか、それともここで下げ渋ってWボトムを形成して再び反
発する商状となるのか、極めて重要な分水嶺に入っていくものと受け止められる。
なお先週末にCFTCから発表された2月2日現在のWTI原油市場のファンドの建玉明細は買いが24万2085枚、売りが15万6058枚で差し引き8
万6027枚。この最近3週は連続で減少しており、3週合計の減少枚数は49642枚。一時13万枚を越えていたところから大きく減少してお
りカラ買い建て玉が急速に整理進展している状況を示している。
今後の展開としては、気掛かりなのは、米株価の動き。最近の金融市場は、欧州で起こっている国家レベルでの財政危機によりユーロ
安が続いているため、それに伴い欧州の株価が続急落して、その流れが米国市場に飛び火してダウが続落していることに尽きる。欧州
ではギリシャ以外でもスペインやポルトガル、イタリアで財政危機に陥っており、今後ユーロ安が一段と強まるのではないかとの懸念
が誘われている。
この状況が続いた場合、第2の金融危機に突入する危険性もあるわけで、それにより景気後退による石油需要の大掛かりな減少・停滞
となることも否定できない状況である。
今週のTokyoフォーキャスト
先週までの方針は、「弱気維持。ただしRSIが目先の安値限界感を示しているため、いったんは自律的に反発する見通し。売り方ファ
ンドの利食いの動きもあって下げにくい展開が予想される」...としていた。
今週の石油相場は、微妙なところであるが、まだ下値余地を残している可能性があり、本文中にあるとおり下値抵抗を割り込んだ場合
には一段と大きく下落する危険性を内包しているといえる状況。
⊿東京原油先限のテクニカル 短期シグナル(日足ベース)
RSI(相対力指数)=42000円付近から買いシグナル
MACD(指数平滑移動平均)=42000円付近から買いシグナル
ウィリアムズ%R(短期売買用オシレーター分析)=43000円付近から売りシグナル
●ガソリン「昨年11月と12月のWボトムを割り込むと急落」
⊿ウイークエンドNYマーケット・レポート
東京ガソリンは、1月下旬の大幅続落に歯止めをかけ、2月に入ってから反発する歩調となっていたが、ここにきて再び急反落する商状
である。指標のWTI原油が4日、5日と大きく続落したことにより、連動安となる商状を強いられている。
問題なのは、5日の暴落により一時5万0860円まで下げたものの、その時点ではまだ下値抵抗を割り込んではいなかったが、その後の夜
間取引で瞬間的に一時4万9980円まで後退し、5万円の心理的な節目を割り込むと同時に、重要な下値抵抗である1月28日の5万0490円を
も割り込んだ点である。この動きにより、大勢的な相場トレンドが下向きに転換してしまった可能性があり、これから一段と下落速度
が早くなる可能性がある。
参考までに、今後の相場を見通し上でテクニカル的に極めて需要な点は、昨年11/30の安値48130円と12/14の安値48920円、この二つの
安値で形成されているダブル・ボトムを堅持できるかどうか、支えられるようであれば再び浮上のチャンスが早くくるだろうが、逆に
割り込んでしまうと、想像される以上に大きく下落する可能性があることは否定できない。
石油連盟が3日発表した「原油・石油製品供給統計週報」によると、1月30日時点の石油製品在庫量は、ガリンが前週と比べて1万3893
キロリットル増加の229万5928キロリットル、灯油が同9万5673キロリットル増加の236万8639キロリットル。石油情報センターが3日発
表した「給油所石油製品市況週動向調査」によると、1日時点の給油所店頭価格(消費税込み)の全国平均は、レギュラーガソリンが
前週と比べて0.4円上昇の1リットル当たり128.9円、灯油が同8円上昇の18リットル当たり1316円となった。
出光興産は4日、ガソリン卸値(全国平均)を1リットル当たり0.8円引き下げると発表した。昭和シェル石油も0.6円引き下げ。引き
下げは両社とも、価格改定のなかった昨年末を除き7週ぶり。適用期間は6~12日まで。原油価格の下落を受け、値決めの指標とする
業者間取引価格が下がったことが背景にある。
⊿今週のTokyoフォーキャスト
先週までの方針は、「弱気維持。ここにきて市況は下げ止まりとなって反発する商状となっているものの、一時的なアヤ戻りではない
かとの見方が否定できない。指標のWTI原油が下げ歩調を維持していることからすると、今後戻ったところで売り直される可能性があ
る」...としていた。
今週の石油相場は、弱気維持。逆に、今後の値動きいかんでは、下げの速度が加速度的となる可能性がある点には要警戒である。想像
以上に景気の鈍化が心配される状況である。
⊿東京ガソリン先限のテクニカル 短期シグナル(日足ベース)
RSI(相対力指数)=52000円付近から買いシグナル
MACD(指数平滑移動平均)=52000円付近から買いシグナル
ウィリアムズ%R(短期売買用オシレーター分析)=53000円付近から売りシグナル
●金「NY金は1000ドル大台を割り込む危険性を内包」
⊿ウイークエンドNYマーケット
NY金は、ここにきて急落傾向を強めている。特に2月4日は記録的な大下げとなって、一気に50ドルほど下落した。しかも週末5日も一
段と下落して1050ドルの心理的節目を割り込んで一時1045.2ドルまで大きく安値を追った。既に1月下旬の時点で下値抵抗を割り込む
展開となっていたことから、大勢はダウン・トレンドに暗転していた。この流れから2月4日の急落はむしろ必然的な動きだったと考え
られる。
この下落で3カ月ぶりの安値圏まで後退する展開となったが、まだ下げは途上であり、今後一段と安値を追って1000ドルを割り込む値
位置まで訂正安が進む可能性がある。
なお金相場が下落しているのは、これまで買われ過ぎていた部分が強くなっていたことで、既存買い方のポジション調整が進展してい
ることによる技術的な要因が挙げられる。またここ最近は株価が大きく続落している点も心理的な面で連想売りが先行しやすい市況情
勢につながっている。
なお4日のNYダウは終値ベースで1万ドル台を維持したものの、瞬間的に1万ドルを割り込んだ。更に、週末5日も終値でこそ1万ドルに
乗せたが、安値では3カ月ぶりに一時9800ドル台まで下げた。一時株価が大きく売られたのは、雇用情勢の回復の遅れを示す経済指標
を材料に売りが先行したため。
なお米労働省が5日発表した1月の雇用統計によると、失業率は9.7%と前月から0.3ポイント低下した。2009年9月の9.8%以来4カ月ぶ
りの1桁台。しかし一方、非農業部門就業者数は季節調整済みで前月比2万人の減少。減少幅は前月の15万人から縮小した。1月の内訳
を見ると、民間部門は1万2000人減。物品生産部門は6万人減で、うち製造業は1万1000人増。建設部門は7万5000人減。一方、民間サー
ビス部門は4万8000人増加した。小売りが4万2100人増に転じたほか、一時雇用、医療関連が引き続き増加した。
ただし欧州の一部国で財政破綻の危機感が強くなっているため、今後は欧州発の金融危機が再燃するのではないかとの懸念も誘われて
いる。市場では、ギリシャやポルトガルなど一部欧州諸国に対する債務不安が一段と広がるとともにユーロ安が今後も加速度的になる
のではないかとの見方も挙がっている。
⊿今週のTokyoフォーキャスト
先週までの方針は、「弱気維持。今後は予想外に大きく上値修正される可能性があり、ここから一段と地合いを崩す可能性がある。10
00ドル近くまで下げることを視野に入れた展開となることもある」...としていた。
今週の相場戦略は、一段安が警戒される。場合によっては1000ドル近くまで下落する可能性もあり、少なくとも強気できない情勢が継
続されることになりそうだ。
⊿東京金先限のテクニカル 短期シグナル(日足ベース)
RSI(相対力指数)=3200円付近から売りシグナル
MACD(指数平滑移動平均)=3200円付近から売りシグナル
ウィリアムズ%R(短期売買用オシレーター分析)=3200円付近から売りシグナル
●プラチナ「今年の入ってからの上げ幅の全てが打ち消される」
⊿ウイークエンドNYマーケット
NYプラチナ市況は、続急落。前週末まで反発を強める商状となって2月初めまでには1600ドル近くまで上昇しつつ、1月中旬の直近最高
値1654ドルに再度トライする動きになるのではないかとの楽観的な見方が広がっていた。実際、NY市場において、プラチナETFの取引
が始まるとともにプラチナ需要が急速に拡大するのではないかとの楽観的な見方が強くなっていたこともあり、買い人気が盛り上がっ
ていた。
ところが、2月に入って3営業日は連続上昇となったが、4日に急転直下、地合いが崩れて大きく下げる商状である。そして週末5日も一
段と大きく下げ1500ドルの節目を割り込み、瞬間的に1452ドルまで下げて1カ月ぶりの安値圏まで後退する商状を強いられている。た
だし、他市場とは違って、需給環境が良いことで、大きく値崩れの危険性が少ないこと、あるいはテクニカル的には昨年12月の安値13
82ドルが下値抵抗となっているため、この安値を割り込まない限り、大きく地合いを崩す可能性は薄いと考えられよう。
ただし、ファンダメンタルズの部分では、金の項目などでも指摘してあるとおり、欧州発の金融危機が再燃する危険性があることから、
それが景気の後退感を誘う可能性があり、それとともにプラチナを含む商品市況が顕著に下落してしまう可能性がある。またトヨタ自
動車のブレーキ問題が一段と深刻化しているため、トヨタの新車売り上げが急激に減って、それとともに触媒用のプラチナ需要が減速
してしまうとの懸念が払拭できない情勢。
参考までに、ブレーキの苦情が相次いでいる新型プリウスの対象規模は、国内外で合計約30万台。さらに、プリウスと同じ仕組みのハ
イブリッド車2車種、2万台に対しても対策が必要かどうかの検討を進めるという。同社は4日の決算発表で、リコール問題が今期業
績に及ぼす影響について、営業利益に対し品質費用で1000億円、販売面で700~億円それぞれ減少させる要因になると説明。販売台数
は、生産停止や販売面での影響からグローバルで10万台程度のマイナス影響を見通しているとした。ただしプリウスの不具合について
は織り込んでいない。
⊿今週のTokyoフォーキャスト
先週までのプラチナ相場の方針は、「一段と下落する見通しが濃い。金をはじめとした商品相場全体が下落傾向となっている上、新し
く出てきた材料であるトヨタのリコール問題が広がりをみせる中、問題拡大とともに触媒需要の減退懸念が強まりそうな雲行きであ
る」...としていた。
今週の相場戦略は、続落に歯止めがかからずまだ下落する商状となる公算が強い。欧州での国家財政危機の問題が薄れてこない限り、
長期的に景気の先行き不安が誘われる可能性がある。
⊿東京プラチナ先限のテクニカル 短期シグナル(日足ベース)
RSI(相対力指数)=4500円付近から売りシグナル
MACD(指数平滑移動平均)=4500円付近から売りシグナル
ウィリアムズ%R(短期売買用オシレーター分析)=4500円付近から売りシグナル
●コーン「年初来の安値を更新する日々が続いている」
⊿ウイークエンド シカゴ・マーケット
シカゴ市場のコーン相場は、続落の動きに歯止めをかけることができず、今年に入ってからは年初来の安値を更新する日々である。い
ったんは下げ止まる兆しとなりそうだったが、下げトレンドはいまもなお現在進行形である。今年1月4日に高値4ドル26.25セントをつ
けてから、先週末5日に一時378ドル47.5セントをつけるに至るまで、78.75セント、18.5%の大幅下落である。しかも、昨年11月の安
値であり、下値抵抗だった3ドル60セントを下回り、4カ月ぶりの安値圏まで後退してきた。このまま一段と安値追いとなって昨年9月
の最安値3ドル02セントに接近する動きが継続されるのか、あるいは反発するのか、判断に難しいところだ。
一ついえることは、コーンの需要部分で比重の多いエタノールの価格が、最近のWTI原油の大幅下落によって軟調に推移しているため、
その動きに連れてコーン相場が下げやすくなっている点は軽視できない。
ファンダメンタルズ要因としては、9日にUSDAが発表される需給見通し待ちである。前回、1月発表では、米コーン生産は前回から2億3
000万ブッシェル上向き修正されて131億5100万ブッシェル(前年比9%増)となり、事前の業者予想平均を約3億3000万ブッシェル上
回るとともに、07年産の130億3800万ブッシェルを上回って史上最高となった。単収も165.2ブッシェルで過去最高レベルと見積もられ
ている。
このような需給環境があるばかりでなく、原油相場が大きく続落してWTI原油期近が大幅に続落して5日時点で一時69.50ドルまで下げ
て70ドルの心理的な壁を割り込んだことも弱気な材料として受け止められるだろう。あるいは欧州のギリシャやポトガルの財政危機に
よるユーロの急落で、対ドルが上昇していることもこのコーンなどの商品市況にとっては圧迫材料となっている点も軽視できない。
なお、米商品先物取引委員会が発表した2日現在のシカゴ市場取組内容によると、コーン市場は大口ファンド筋の新規売りが活発化し
たため、買い越しが前週比1万2773枚減の13万339枚となり、最近の3週間で14万枚ほど減少して17週間ぶりの低水準となった。小口投
機家は新規買いとショートカバーが続き売り越しが約4000枚の減少。投機玉合計では売り越しが前週比8633枚増の2万6445枚となり18
週間ぶりの高水準。
⊿今週のTokyoフォーキャスト
先週の方針は、「弱気維持。まだ底入れの感触は薄く、これから一段と市況が暗転してしまう可能性がある。ただし売られ過ぎ感もあ
り週後半からは底入れの兆しも出てきそうだ」...としていた。
今週の相場戦略は、弱気方針を維持。ただし、相場が十分に安値を出し切りつつあることからすると、このレベルからの積極的な弱気
は好ましくない。
⊿東京トウモロコシ先限のテクニカル 短期シグナル(日足ベース)
RSI(相対力指数)=20000円付近で買いシグナル
MACD(指数平滑移動平均)=20000円付近で買いシグナル
ウィリアムズ%R(短期売買用オシレーター分析)=20000円付近で買いシグナル
●大豆「4日時点で9ドルまで下げ高値から15%超の大幅下落」
⊿ウイークエンド シカゴ・マーケット
シカゴ大豆相場は、下げトレンドに歯止めをかけることができず、依然として今年に入ってからの続落トレンドを維持したままである。
昨年12月と今年1月の2カ月間で、3度にわたり10ドル80セントの厚い壁を突破しようと試みたが、ことごとく失敗し、結果的にトリプ
ル天井を形成してしまった。テクニカル面ではこれが致命傷となり、その後は一方的に下落する相場が形成されてしまっている。
直近の動きとしては、2月4日時点で一時9ドルちょうどまで安値を追い、1月6日の直近高値10ドル68.2セントから1ドル68.2ドル、率で
15.7%の大幅下落に及んでいる。
テクニカルでは、ここが正念場で、昨年10月の直近最安値であり非常に強い下値抵抗である8ドル78.75セントに接近してきたことで、
このラインが意識されて、ここから急反発に転じるのか、あるいは抵抗を割り込んで、更に本格的な下落となるのか、この二つのいず
れかの相場パターンになるのかを見極める必要がある。
コーンと同様に大豆市場も9日発表予定のUSDA予想が大事である。前回、1月時点では、米大豆の生産高は前回から4200万ブッシェル上
向き修正されて33億6100万ブッシェル(同比13%増)となり、事前の業者予想平均を2400万ブッシェル上回った。06年産の31億9700万
ブッシェルを上回って史上最高を記録。コーンがそうであったように、この生産の大幅な増加がマーケットに対してマイナスの驚きを
誘い、そこから市況の下げに拍車がかけられている。
更に、ファンダメンタルズ要因としては、南米大豆の豊作が確定的なことも弱材料。9日に米農務省が発表する需給予想では、南米大
豆の生産高予想の上向き修正が必至とみられている。ただし中国向けの旺盛な需要が続いていることに原因し今年度の米大豆の期末在
庫が前月から2000~2500万ブッシェルの下向き修正が見込まれていることもあり、在庫の動きには注目される。
2日現在のシカゴ大豆市場取組内容によると、大口ファンド筋は新規売りと手仕舞い売りが進展したため、買い越しが前週比9826枚減
の2万9270枚となり、最近7週で約9万枚減少して09年3月17日現在以来約10カ月ぶりの低水準まで減少してきた。小口投機家も新規売
りが新規買いを上回ったため売り越しが約3000枚増加。
⊿今週のTokyoフォーキャスト
先週の方針は、「弱気維持。まだ底入れの可能性は薄く、テクニカル指標も売りシグナルを出しているものが大半であるため、一段下
げとなる公算が強い。売りホペジションを維持したい」...としていた。
今週は、コーンと同様に弱気を維持したい。ただし相場の下げが続いていること、取組整理が進んだことなどかに、そろそろ売りポジ
ションを整理して強気どころを模索したい場面である。
⊿東京大豆先限(一般大豆)のテクニカル 短期シグナル(日足ベース)
RSI(相対力指数)=3万9000円付近から買いシグナル
MACD(指数平滑移動平均)=3万9000円付近から買いシグナル
ウィリアムズ%R(短期売買用オシレーター分析)=3万9000円付近から買いシグナル